裁判所の歩き方
交通
庁舎までの交通手段について考えてみます。最寄り駅からの距離などを考慮して、適切な手段を選択しましょう。
徒歩
裁判所庁舎は鉄道駅から徒歩の範囲内(精々20分程度)にあることが多いものです。そのため、大雨や猛暑などの天候上の問題がなければ、歩いて攻めることができます。裁判所庁舎は、城下町では城跡に存立することが多く、観光のついでに気軽に訪れることができます。しかし、中には、観光のみを目的とした場合は決して足を踏み入れないであろうエリアに存在することもあります。
バス
徒歩時間が概ね20分を超える場合は、時間の節約のためにバス利用も考えられます。そもそも、裁判所所在地に鉄道が通っておらず、バス利用が必須の場合もあります。そのような例が、特に支部や独簡では枚挙にいとまがありません。これらの庁舎も、当初は主要都市に設けられたはずであり、過去には鉄道が通っていたところも少なくありません。
レンタサイクル
徒歩が困難な場合は、レンタサイクルの利用も選択肢となります。多少なりとも観光地の要素がある町では、観光案内所などにレンタサイクルが用意されていることがあります。
レンタカー
北海道などでは、廃線により鉄道から遠く離れているところが多く、バスも頻繁に走っていないので、最後の手段としてレンタカーを検討せざるを得ません。レンタカーというのは公共交通機関と違って時間を気にしなくてよい反面、地ビールを楽しむこともできません。そのため、極力使用は避けたいところですが、庁舎視察には効率も考慮する必要があるので、必要に応じて利用しましょう。
観察
庁舎にたどり着いたら、外観及び周辺を観察します。休日の当直廃止庁では、門が閉ざされていて、敷地内への進入は不能であることが多いことに留意すべきです。
掲示板
掲示板は通常は公道に面して設置されていますが、希に、公道からでは文字が読み取れない庁舎敷地内に設けられていることがあります。
駐車場
門が開いている場合は、敷地内に進入し、庁舎の周囲を一周してみます。庁舎の背面に意外にも広大な駐車場が隠されている場合も多いです。
官舎
独簡などでは、敷地に隣接して、官舎らしきものが建っていることが多いです。敷地との間に出入口が設けられていれば間違いありません。あるいは、空き地に財務事務所管理地の看板が立っていることもあり、官舎跡地であることを推し量ることができます。
郵便局
郵便局の所在を確認することも忘れてはなりません。印紙や切手を購入しようとしても、本庁以外では売店があるのは稀です。高額の券種が必要な場合は、コンビニでは用が足りず、どうしても郵便局に頼らざるを得ません。
ホテル
職員の出張や遠方からの来庁者のことを考えると、近辺のホテルの有無が気になります。しかし、随分前から、事務の合理化の観点から、地家裁レベルでは宿泊を伴う出張が激減していたところ、コロナ禍を契機としてテレビ会議の活用が始まり、更に、コロナ禍が開けた現在に至っても、会同や研修の類はTEAMSによるウェブ会議が原則となっており、地家裁管内の出張に限って言えば泊付きは皆無ですし、高裁への出張も激減しており、ホテル利用の機会も滅多になくなりました。
飲食店
昼飯に使える食堂や夜の宴会に使える居酒屋の類も気になるところです。大概の庁舎は市街地にありますから、飯に困ることはあまり考えられませんが、都会の喧噪から隔たった住宅街や人里離れた丘の上に庁舎があって、周辺に格好の食事処が見当たらないこともあるのです。
検察庁
裁判所庁舎の近辺には往々にして検察庁庁舎があるものです。隣接していることも珍しくありません。しかし、いつの頃からか、検察庁は、一部の庁について、庁名を維持したまま、事務処理を近隣の庁舎に移転するようになりました。検察庁の支部及び独簡は、裁判所に対応して置かれることになっていますが、事実上の統廃合が実施されていると言えます。
撮影
庁舎を訪問した証拠あるいは記念として撮影を実施します。可能であれば庁銘板もぜひ撮影したいものです。
庁舎
庁舎全体がフレームに収まるように、道路の反対側に引き下がった上で、正面玄関が樹木などに隠されることのないアングルを探し求めます。
撮影にあたっては、少なくとも3方向以上から撮影することによって、庁舎の全体像を多面的に捕捉するよう努めます。可能であれば、庁舎裏にも回って、側面や背面を捉えることも忘れてはいけません。
なお、裁判所には、庁舎管理規程なるものがあり、敷地内での写真撮影は禁じられています。したがって、庁舎の撮影は必ず敷地外から行っています。敷地の奥まったところに庁舎がある場合は、敷地内に踏み込んで撮りたいこともありますが、そこは辛抱してルールに従うよう自制しています。
銘板
実は、庁舎の全体像よりも、地家簡(及び検審)の名前が入った銘板のほうが、確かにその裁判所を訪れたという最も証明力の高い証拠になるので、より価値が高いと言えます。
地家簡裁及び検審を併記する必要がある本庁や支部では、正面玄関の場合が多く、この場合、正門には単に「裁判所」とだけ表示されています。これに対し、独簡では正門に庁名表示されているのが主流です。全体像と銘板の双方を入手できるのが理想なのですが、なかなかそうもいきません。
銘板が庁舎自体に貼り付けてある場合、庁舎管理規程によって、銘板の接写はおのずと不可能です。この場合は、敷地外からズーム撮影という奥の手を使用しますが、人目がある平日に実行するには勇気が要ります。休日で開門されている場合は、庁舎については敷地外からの撮影を厳守しながらも、価値が高いがゆえに、銘板の間近で撮影を敢行してしまいがちです。